個人事業主を辞めて会社員に戻るのは失敗?戻った私が感じた現実

個人事業主を辞めて会社員に戻るのは失敗?戻った私が感じた現実

個人事業主を辞めて、会社員に戻る。

この選択をしたとき、

「自分は失敗したのではないか」

と考えました。

一度は会社を辞めて、自分で仕事を始めた。

それなのに、また会社員へ戻る。

独立を続けられなかった自分に、どこか負けたような気持ちがありました。

周りから何か言われたわけではありません。

それでも、自分の中では、

「結局、元に戻っただけではないか」

という思いが消えませんでした。

しかし、実際に会社員へ戻って生活を続けてみると、見え方は少しずつ変わりました。

会社員に戻ったから、すべての不安がなくなったわけではありません。

将来のお金は気になります。

子供2人の教育費もあります。

昇給や老後についても、不安が残っています。

それでも、毎月の収入があること。

給料日が来ること。

社会保険や生活の予定を立てやすいこと。

それらは、個人事業主だった頃には感じにくかった安心でした。

この記事では、個人事業主を辞めて会社員へ戻った私が、実際に感じたことを書きます。

会社員に戻るべきだと勧める記事ではありません。

独立を続けるべきだと励ます記事でもありません。

ただ、

「会社員に戻ることは本当に失敗なのか」

と悩んでいる人が、自分の生活を基準に考えるための記事です。

【関連記事】

40代になって働き方や将来に不安を感じている方は、以下の記事も参考になります。

▶ 40代でこのままでいいのか不安な人へ|何か始める前に確認したい現在地

 

会社員に戻ることを「失敗」だと思ってしまう

個人事業主を辞めて会社員へ戻ろうと考えたとき、最初に浮かんだのは安心ではありませんでした。

浮かんだのは、敗北感でした。

会社を辞めるときには、

「これからは自分で仕事をする」

「会社に頼らずに生活する」

という気持ちがありました。

誰かに強く宣言したわけではなくても、自分の中では大きな決断でした。

そのため、会社員へ戻ることは、その決断を自分で否定するように感じました。

個人事業主を続けられなかった。

自分には才能がなかった。

もう少し頑張れば何とかなったのではないか。

そんな考えが何度も浮かびました。

昼休みに、個人事業主から会社員へ戻った人の体験談を調べたこともあります。

夜にスマホで、

「個人事業主 会社員に戻る 失敗」

「自営業 廃業 再就職」

などと検索したこともありました。

安心できる答えを探していたのだと思います。

けれど、検索結果をいくら読んでも、自分の中の引っかかりは簡単には消えませんでした。

なぜなら、知りたかったのは再就職の方法ではなかったからです。

自分の選択が間違いではなかったと、誰かに言ってほしかったのだと思います。

独立を続けている人を見ると、自分だけ途中で降りたように感じました。

事業を大きくした人や、会社員時代より稼いでいる人を見ると、

「自分も続けていれば」

と思うこともありました。

ですが、他人の成功と、自分の生活は同じではありません。

抱えている家族も違います。

必要な生活費も違います。

持っている貯金も、仕事の内容も、耐えられる不安の大きさも違います。

それでも当時の私は、他人の結果と自分の選択を比べていました。

会社員に戻ったという事実ではなく、

「独立を続けられなかった自分」

を責めていたのです。

失敗だと思い続けると、戻った後の生活まで苦しくなる

会社員へ戻ることを失敗だと思い続けると、戻った後の生活にも影響します。

毎月給料が入っても、

「本当はここにいるはずではなかった」

と感じる。

仕事が大変な日には、

「独立を続けていれば、こんな思いをしなかったかもしれない」

と考える。

一方で、個人事業主だった頃の不安は、少しずつ記憶の中で薄くなります。

収入が安定しなかったこと。

仕事が途切れる不安。

休んだ日は売上が止まる感覚。

税金や保険料を自分で管理する負担。

そうした現実よりも、時間を自由に使えたことばかりを思い出すようになります。

過去は、時間がたつと都合よく見えることがあります。

会社員に戻った後の不満と、個人事業主時代のよかった部分だけを比べると、戻った選択を後悔しやすくなります。

私にも、会社員へ戻った後に不満はありました。

決められた時間に出勤する。

組織の方針に合わせる。

自分だけでは決められないことがある。

副業についても、会社の規則を気にしなければならない。

個人事業主の頃にはなかった窮屈さを感じました。

そのたびに、

「戻らなければよかったのか」

という気持ちが出てきました。

しかし、会社員に戻ったことを失敗だと決めつけると、今ある安心まで受け取れなくなります。

給料日を待てること。

翌月の収入をある程度予想できること。

家族の予定を立てやすくなったこと。

体調を崩したときに、すぐ収入がゼロになるわけではないこと。

そうしたものを、

「会社員なら当たり前」

として片づけてしまいます。

戻ったことを後悔する気持ちが強いほど、現在の生活を仮の状態として扱うようになります。

また独立しなければならない。

何かで結果を出さなければならない。

以前の選択を取り返さなければならない。

そう考えると、今の仕事にも、家族との時間にも落ち着けません。

会社員へ戻った後まで、ずっと独立の続きを生きることになります。

本当に苦しかったのは、会社員へ戻ったことではありません。

戻った自分を認められず、今の生活をいつまでも失敗後の仮住まいのように扱っていたことでした。

【生活のお金を一度整理したい方へ】

会社員へ戻るかどうかを考えるときは、気持ちだけでなく、毎月必要なお金を確認することも大切です。

家計簿を完璧につける必要はありません。

まずは固定費、教育費、毎月残る金額だけでも見えるようにすると、働き方を感情だけで決めにくくなります。

▶ 子供2人の教育費が不安|今から全部準備できなくてもいい

 

なぜ会社員に戻ることを負けだと感じるのか

会社員へ戻ることを負けだと感じる理由の一つは、独立に強い物語がついているからだと思います。

会社を辞めて挑戦した。

自分の力で仕事を作った。

時間や場所に縛られず働いた。

こうした話には、前向きな印象があります。

反対に、

事業を辞めた。

会社員に戻った。

安定を選んだ。

という話は、挑戦を諦めたように受け取られることがあります。

けれど、実際の生活は、それほど単純ではありません。

個人事業主でいることが挑戦で、会社員でいることが停滞とは限りません。

独立を続けることが正解で、戻ることが不正解とも限りません。

個人事業主を続けるには、売上だけではなく、生活全体を支える必要があります。

毎月の生活費。

税金。

社会保険料。

仕事に必要な経費。

急な出費。

家族がいるなら、教育費や将来の備えもあります。

売上があっても、手元に残るお金が少ない月があります。

仕事が忙しくても、将来の安心にはつながらないこともあります。

個人事業主だった頃の私は、仕事と生活の境界が曖昧でした。

仕事をしていない時間にも、仕事のことを考えました。

売上が少ない月には、家族には言えていない不安もありました。

次の入金がいつになるか。

この仕事がいつまで続くか。

来月も同じ売上があるか。

夜にスマホを見ながら、頭の中で何度も計算しました。

会社員に戻るか迷っていたときも、見栄や理想だけなら続けたかったと思います。

一度始めたことを途中で終わらせたくありませんでした。

ですが、生活は気持ちだけでは続きません。

子供の教育費も気になります。

家族の予定もあります。

給料日を待てる生活と、次の入金を待つ生活では、感じる不安が違います。

会社員に戻ることを負けだと感じたのは、働き方を結果だけで評価していたからです。

事業を続けられたか。

収入を増やせたか。

独立を成功させたか。

その基準だけなら、会社員へ戻ることは後退に見えます。

しかし、生活を崩さなかったか。

家族との暮らしを維持できたか。

自分が働き続けられる状態を作れたか。

この基準で見ると、評価は変わります。

会社員へ戻ることは、挑戦を諦めた選択ではなく、生活を立て直すための選択になることがあります。

個人事業主から会社員に戻って実際に感じたこと

会社員に戻った直後、すぐに安心できたわけではありませんでした。

新しい職場や仕事に慣れる必要があります。

人間関係もあります。

会社の時間に合わせて動く生活にも、もう一度慣れなければなりません。

個人事業主の頃は、自分で予定を決められました。

会社員になると、そうはいきません。

朝起きる時間。

出勤する時間。

休める日。

仕事の進め方。

自分だけで決められないことが増えました。

自由が減ったと感じる場面はありました。

それでも、会社員へ戻って一番大きかったのは、収入の予定が立つことでした。

給料日が決まっている。

毎月の収入が、ある程度分かる。

家賃や生活費を払った後、いくら残るか計算できる。

個人事業主の頃にも売上はありましたが、売上と安心は同じではありませんでした。

今月多くても、来月は分かりません。

入金が遅れることもあります。

売上から経費や税金を差し引くと、思ったほど残らないこともあります。

会社員に戻ると、急にお金持ちになるわけではありません。

私も小遣い制で、月22,000円の中から自分に使うお金を考えています。

物価が上がれば、生活に余裕があるとは感じません。

昇給についても不安があります。

老後資金も十分とは言えません。

それでも、毎月の基準があることは大きな違いでした。

会社員に戻って感じたもう一つのことは、仕事の不安を一人ですべて抱えなくてよくなったことです。

個人事業主のときは、仕事を取るのも自分。

売上を作るのも自分。

失敗の責任を負うのも自分。

体調を崩したときの影響も、自分の生活へ直接返ってきます。

会社員にも責任はあります。

仕事の悩みもあります。

ですが、事業全体を一人で背負うわけではありません。

この違いは、戻ってから改めて感じました。

一方で、会社員へ戻って失ったものもあります。

時間の自由。

仕事を選ぶ自由。

自分で決められる範囲。

そのため、会社員に戻ればすべて解決するとは思いません。

戻った後にも、

「このままでいいのか」

という気持ちは残りました。

副業禁止の環境で、将来のために何ができるか考えることもあります。

ブログを続けても、収益はほとんど出ていません。

会社員に戻ったからといって、将来不安がなくなったわけではありません。

ただ、不安の種類が変わりました。

個人事業主の頃は、来月の収入が見えない不安。

会社員へ戻ってからは、この収入のままで将来足りるのかという不安。

どちらにも不安はあります。

それでも私は、会社員へ戻ったことで、将来を考えるための足場を取り戻せたように感じています。

会社員復帰が失敗かどうかは「続けたか」では決まらない

会社員へ戻ったことが失敗かどうかを、事業を続けられたかだけで判断すると、戻った人の多くは自分を責めることになります。

しかし、働き方は続けた年数だけで評価するものではありません。

個人事業主を続けていても、生活が毎月ぎりぎりになっていたかもしれません。

家族に不安を言えず、一人で抱え続けていたかもしれません。

税金や保険料の支払いを待ってもらう状態になっていたかもしれません。

体調を崩しても休めなかったかもしれません。

反対に、会社員へ戻ったことで、

収入の見通しが立った。

社会保険の不安が減った。

家族との生活を維持しやすくなった。

もう一度、自分の将来を考える余裕ができた。

そうした変化があるなら、単純な失敗とは言えません。

大切なのは、会社員と個人事業主のどちらが上かではありません。

自分の生活を維持できるかです。

独立を続けることが生活防衛になる人もいます。

会社員へ戻ることが生活防衛になる人もいます。

会社員を続けながら、小さく別の可能性を探す人もいます。

私の場合は、会社員へ戻ることで、まず毎月の生活を安定させる必要がありました。

再び独立するための一時的な避難だった、と格好よく言うつもりもありません。

戻った後も迷っています。

今もブログを続けていますが、収益はほとんどありません。

何かを成し遂げたわけでもありません。

それでも、個人事業主を経験したことが消えたわけではありません。

自分で仕事を考えたこと。

収入が安定しない怖さを知ったこと。

確定申告や税金を自分で管理したこと。

会社員の安定が、決して当たり前ではないと知ったこと。

それらは、会社員に戻ってからも残っています。

働き方は、元に戻ることができません。

会社員という同じ形へ戻っても、以前の自分と同じではないからです。

個人事業主を経験した後では、給料の見え方も、会社の制度の見え方も変わります。

だから、会社員復帰は振り出しに戻ることではありません。

経験を持ったまま、生活の土台を組み直すことだと思います。

迷っているときは「得るもの」と「失うもの」を分けて考える

個人事業主を続けるか、会社員へ戻るか迷っているとき、気持ちだけで答えを出すのは難しいと思います。

続けたい気持ち。

辞めたくない気持ち。

失敗だと思われたくない気持ち。

家族を安心させたい気持ち。

収入を安定させたい気持ち。

いくつもの気持ちが混ざるからです。

そんなときは、どちらが正しいかを決める前に、

「会社員に戻ることで得るもの」

「会社員に戻ることで失うもの」

を分けて考えると、少し整理しやすくなります。

例えば、得る可能性があるものは、

毎月の収入。

社会保険。

有給休暇。

生活予定の立てやすさ。

家族への説明のしやすさ。

仕事を一人で背負わなくてよい安心。

反対に、失う可能性があるものは、

時間の自由。

仕事を自分で選ぶ自由。

収入を大きく伸ばせる可能性。

自分の判断だけで動ける環境。

どちらにも意味があります。

会社員へ戻ることには、安心だけではなく窮屈さがあります。

個人事業主を続けることには、自由だけではなく不安定さがあります。

大切なのは、自分が今、何を最も守る必要があるかです。

自由を守る時期なのか。

毎月の生活を守る時期なのか。

家族との時間を守る時期なのか。

心身の状態を守る時期なのか。

人生全体の正解を出す必要はありません。

今の自分と家族にとって、どちらの負担が小さいかを考えます。

私も会社員へ戻るときに、これから一生会社員でいると決めたわけではありません。

まず、生活を立て直す必要がありました。

次の挑戦を考える前に、給料日を待てる生活へ戻す必要がありました。

将来を大きく変える決断ではなく、今の生活を崩さないための決断だったのだと思います。

今日できる小さな行動は、会社員に戻って得たものを書くこと

会社員に戻るか迷っている人も、すでに戻って後悔している人も、今日すぐに答えを出す必要はありません。

今回おすすめしたい行動は、一つだけです。

紙やスマホのメモに、

「会社員に戻ることで得られるもの」

または、

「会社員に戻って実際に得たもの」

を書き出してください。

失ったものではなく、最初は得たものだけで構いません。

毎月の収入。

給料日。

社会保険。

休日。

家族との予定。

精神的な負担の変化。

小さなことでも構いません。

会社員へ戻ったことを失敗だと感じていると、失った自由ばかりが目に入ります。

その状態では、戻ったことで守れたものが見えません。

得たものを書き出しても、

「だから会社員が正解だ」

と決める必要はありません。

ただ、自分の選択を失敗の一言で片づけないために、生活の変化を確認します。

私は、会社員へ戻っても将来不安が消えませんでした。

小遣いの範囲で何ができるか考えています。

教育費も気になります。

昇給や老後も不安です。

それでも、会社員へ戻ったことで、今後を考えるための時間と土台は得られました。

戻ることは、過去の挑戦をなかったことにすることではありません。

自分が今後も働き続けるために、形を変えることです。

会社員へ戻るかどうかを、さらに具体的に判断したい場合は、収入だけでなく、家計・家族・心身の状態まで分けて整理する必要があります。

そのための判断基準とチェックリストを、以下のnoteにまとめました。

続けるか、縮小するか、会社員に戻るか。
もう少し具体的に整理したい方へ

会社員へ戻ることが失敗ではないと分かっても、実際に自分がどう判断すればよいかは別の問題です。

noteでは、収入・家計・家族・心身の状態から、 「続ける」「規模を縮小する」「会社員へ戻る準備を始める」を整理する判断基準とチェックリストをまとめました。

  • 会社員復帰を考えたいサイン
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  • 事業・家計・心身・家族のチェックリスト
  • 7日間で整理する行動手順

有料note:500円|無理に購入する必要はありません

まとめ|会社員に戻ることは生活を組み直す選択にもなる

個人事業主を辞めて会社員へ戻るとき、私は失敗したように感じました。

一度始めたことを続けられなかった。

自分で働く道を諦めた。

元の場所へ戻った。

そんな気持ちがありました。

しかし、実際に戻ってみると、会社員復帰は単純な後退ではありませんでした。

自由は減りました。

組織で働く窮屈さもあります。

将来不安がすべて消えたわけでもありません。

それでも、

毎月の収入がある。

給料日が分かる。

生活の予定を立てられる。

家族との暮らしを維持しやすい。

そうした安心を取り戻しました。

個人事業主を続けることが正解とは限りません。

会社員に戻ることが正解とも限りません。

その時点で、自分が何を守る必要があるかによって、選択は変わります。

会社員へ戻ったことを失敗だと決める前に、戻ったことで得たものを一度書き出してみてください。

守れた生活があるなら、その選択は失敗ではありません。

それは、これからも働き続けるために、生活を組み直した選択です。

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